【ご報告】令和元年第二回定例会におきまして、一般質問をさせていただきました。答弁内容を更新しました。

令和元年第二回定例会におきまして、一般質問をさせていただきました。
質問内容は以下の通りになります。

答弁内容を更新いたしましたが、あくまでも私のメモですので、より正確なものは議会議事録の公開をお待ちくださいませ

令和元年第2回定例会におきまして当選後、初の一般質問を行います。4月の選挙では崖っぷちの再挑戦ということもあり前回を大きく上回る票を頂戴し当選させていただきました。前回の落選から脱サラまでの間、民間企業でインターネット投票やオープンデータ化の推進に携わって参りました。仕事で培った経験を活かして、開かれた区政に向けたICT利活用、行政改革、議会改革に取り組んで参ります。

それでは質問に移ります。

質問1 開かれた区政に向けたICT利活用について

近年は技術革新が急速に広がっており、IoT、AI、ビッグデータなどの存在は社会にこれまで以上の変革をもたらしつつあります。 こうした状況を踏まえて、官民のデータ利活用のための環境を総合的かつ効果的に整備するため、平成28年に国は官民データ活用推進基本法を施行し、市区町村に対しては、官民データ活用推進計画の策定を努力義務と位置づけました。中野区にも長期的視野で戦略的に業務改革へ取り組んでいく計画が必要と考えます。また先行きが不透明で最新の技術もすぐに陳腐化してしまうため、変化に速やかに対応できる組織づくりや人材育成は欠かせません。

地方自治体は民間企業と比べて変化への対応が難しい組織ですから、最先端の取り組みを行うために知見を有する民間企業のリソースを活用した公募型の実証事業などを積極的に活用していく必要があると考えます。

酒井区長はかねてより「最新のICTを有効に活用することで多様化、複雑化、専門化する行政需要に適切かつ効率的に対応していく」とおっしゃっております。また、行政報告の中でも「区がデータの公開及び活用に取組む上での基本指針を策定するとともに、区のオープンデータ化を推進し、オープンデータを活用した地域課題の解決に向けた機運を高めてまいります」とも言及されております。

そこで質問です
【質問1】これらのICT利活用やオープンデータ化の推進を実現するためには「長期的視野を持って取り組むための基本計画」、「速やかに変化に対応できる組織づくりや人材育成」、加えて「最先端の取り組みを行うために民間企業との連携」が必要と考えます。以上3点について区長のお考えをお聞かせください。

【酒井区長回答】今後の区政運営においては、ICTの利活用とオープンデータの推進は柱となる取り組みだと捉えている。特にオープンデータの推進については、区として開かれた区政に向けたデータの公開や地域課題解決のためのデータ利活用、官民相互のデータ連携による新たなビジネスチャンスの創出などに向け、データの公開及び活用に取り組むための基本指針について今年度中に策定する準備を進めているところである。指針には区職員の人材育成やデータ利活用のための体制整備、民間などとの協働などの考え方について、長期的かつ戦略的な展望を持って盛り込むことを考えているところである。

質問2 オープンデータについて

次にオープンデータの運用方針についてお伺いいたします。World Wide Webを考案し「web」の父と呼ばれるティム・バーナーズ=リー氏は、オープンデータのランクを評価する5つ星オープンデータという基準を考案しました。1つ星はデータをオープンライセンスでWeb上に公開する形式。データとしてはPDFなどです。2つ星はデータを構造化データとして公開する形式。データとしてはエクセルなどです。3つ星は非独占のデータを公開する形式。データとしてはCSVなどです。4つ星はURIを使って他の人々がリンクできるデータで公開する形式。データとしてはRDFなどです。五つ星はデータのコンテキストを提供するために他のデータへリンクする形式。データとしてはリンクドオープンデータ(LOD)です。これまでのWorld Wide Webはインターネット上に散在する文書同士を相互に参照可能にするシステムであるのに対して、リンクドオープンデータは、データ同士を参照可能にするため「データのウェブ」とも言われています。

東京都が2017年に公表したオープンデータのガイドラインの中で公開するデータ形式として上記評価の3つ星に該当するCSVを推奨しています。先行してオープンデータの指針を策定している新宿区にヒアリングしたところ、データ形式は5つ星のリンクドオープンデータまでのデータを公開しておりました。しかし、リンクドオープンデータの作成や、運用ノウハウが必要なことから事業者に委託をしているとのことでした。5つ星データを活用した先進的な取り組みとしては福井県鯖江市が有名です。公園のトイレ、避難所、AED、市域地図、文化財、消火栓、議員名簿、などの行政情報を公開し、民間企業や市民を対象にしたアイデアソン・ハッカソンを行っており、これまで作成されたアプリ数は200を超えています。オープンデータは利便性と汎用性が高い形式で公開することで区民サービス向上や、大学や企業などの研究結果にも貢献できると考えております。

そこで質問です
【質問2】中野区は公開の5段階のうちどのレベルのデータを公開しようと考えていますか。また、現段階では難しくても、データの利活用を促進するためには将来的に5つ星での公開を目指してはいかがでしょうか。

【酒井区長回答】オープンデータへの取り組みについては、まず出来るところから公開していくという考え方で進める予定でおり、既に区のHP上でPDFやエクセル形式でデータを公開しているなどの公開可能なデータについては、ルールを定めたうえで、第3段階のCSVファイル形式で公開する準備をしているところである。将来的には機械判読が容易かつ他のデータとリンクするなど、データ活用の利便性がより高い第5段階での公開を目指して参りたい。

質問3 統合型GISについて

続いて統合GIS の件についてお伺いいたします。
不動産業を営んでいる区民の方から用途地域等の都市計画、防災情報等を不動産売買契約などで取得しなければならいないが、区が公開しているPDFの地図データは縮尺精度が低く利用しづらい。結局区の窓口に行かざるをえず不便であるとの声をいただきました。

中野区の都市計画課に年間の問い合わせ件数について確認したところ、
平成28度51,510件、29年度54,337件、30年度60,271件。問い合わせの合計数は年々増えており、内訳としてはホームページ閲覧件数と比率が上昇する一方で、窓口、電話の件数、比率は低下傾向にあります。区のホームページで、各都市計画や防災情報等が使いやすく分かりやすい地図情報として閲覧性や利便性が高まれば、区民サービスは大きく向上します。また窓口や電話対応件数のさらなる抑制に繋がるため職員の業務負担を軽減することができます。

現在のように広報広聴課、道路課、都市計画課など、それぞれが個々に地図を整備してはとても費用が嵩み非効率です。区の業務の効率化を図る上で縮尺精度の高い統合地図を整備し、統合GISとして活用すべきではないでしょうか。これにより1 つのベース地図として効率よく各課の情報が共有可能となり、バックオフィス業務の効率化と高度化を実現できます。またオープンデータとの親和性が非常に高く区民が求める地図を簡単に作成できるため、フロントオフィス業務において区民サービスの飛躍的な向上につながると考えます。

既に杉並区や板橋区では都市計画情報などの情報をまとめた統合型GIS 地図を作成し、様々な部署の職員が日々の業務や政策を作成する際に重宝しているとのことです。

そこで質問です。
【質問3】区民と区役所との双方向の情報伝達とワンストップサービスを推進するため、縮尺制度の高い地図を区共通のベース地図として、都市計画や道路情報、防災情報など、様々な区の情報がインターネットで重ねて閲覧できる統合型GIS 地図を、中野区でも導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。

【酒井区長回答】統合型GISを活用した区政情報の公開については、オープンデータと組み合わせることで、非常に有効なものとなると考えている。導入にあたっては、既に実施している自治体などを参考に縮尺精度の高いベース地図の作成方法や著作権に関する対応なども含め、積極的かつ速やかな導入に向けて検討を進めて参りたい。

質問4 コンビニ交付手続きについて

続いてコンビニ交付手続きについて伺います。
今年の5月に行政手続きを原則、電子申請に統一するデジタルファースト法が成立しました。この法律はインターネット上で引っ越しや相続などの手続きをワンストップで完結させることを目指しており、今後、地方自治体における電子手続きの重要性や機運はますます、高まっていくと考えます。

中野区でもパソコンやスマートフォンによる電子申請サービスやコンビニ交付システムなど証明書取得に関する電子手続きが推進されております。電子手続きの利用状況は平成27年で58.76%、28年度で58.68%、29年度で60.24%と増加傾向で、窓口業務の負担は減少傾向にあります。

電子申請サービスにはマイナンバーカードと読み取り用端末のICカードリーダライタが必要になります。Android製のスマートフォンはアプリをインストールすることで認証できますが、IOSのスマートフォンはこれまで未対応でした。しかし、先日Apple 社は2019年秋に公開する新OS「iOS 13」でマイナンバーカードを認証する機能を追加すると発表しました。今後、マイナンバーカードによる公的個人認証の環境が整って参りますので、この機を逃さずマイナンバーカードの普及に努めていただきたいと思います。

パソコンやスマートフォンからの電子申請サービスで証明書を取得する場合は入金後に中野区から証明書が郵送される流れになりますので、手間が掛かりますし、いち早く取得したい方には不向きと言えます。コンビニ交付システムの場合はその場で支払いから証明書の受け取りができるため便利です。中野区のコンビニ交付システムは住民票と印鑑証明の取得には対応していますが、税証明書や戸籍謄本などは未対応です。

平成29年度、中野区の証明書取得に関わる事務事業の割合を紹介します。住民票の取得が46%、印鑑登録が16%、戸籍の証明が25%、税証明が12%、その他が1%です。コンビニ交付システムで税証明書と戸籍の証明書が取得できるようになれば、区民サービス向上につながります。平成29年度にコンビニから証明書を取得した合件数は25288件です。窓口業務における証明書取得件数の比率を乗じて推計したところ税証明書5361件と戸籍謄本8196件、合わせて年間で約1万4千件です。区役所の窓口業務削減効果と、利用者のニーズが一定数存在すると言えるのではないでしょうか。また、マイナンバーカードの利用機会が増えることでカードの普及にも繋がると考えます。

そこで質問です
【質問4】コンビニ交付システムで税証明書と戸籍謄本を取得できるようにシステムを変更してはいかがでしょうか。

【酒井区長回答】区ではマイナンバーカードの利活用を推進し、区民サービスの正確性、利便性を高めるため、コンビニでの証明書交付について、区報、ホームページにより広報するなど、普及に取り組んでいるところである。コンビニ交付サービスの対象事務の拡大は、事務の効率化に資するものと考えており、費用対効果や先進自治体の導入事例などを総合的に検証し、導入に向けて検討したい。

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