9月25日の令和6年度決算特別委員会において総括質疑をしました。質疑と答弁を全文公開いたします。
令和4年度と比較して令和5年度は義務教育施設整備基金、社会福祉施設整備基金、財政調整基金の施設改修分の各対象施設の取得原価と減価償却累計額、それぞれ幾ら増えたか伺います。
【財政課長】 お答えいたします。義務教育施設整備基金に係る取得原価は54億円余の増、減価償却累計額は11億円余の増となってございます。社会福祉施設整備基金に係る取得原価は500万円余の減、減価償却累計額は2億円余の増となっています。また、施設改修分に係る取得原価は227億円余の増、減価償却累計額は1億円余の減となってございます。
基金積立目標値に関わる数字なので、経年の数字を追っていきたいと思って確認をいたしました。延べ大体12億円ということで、来年から基金の積立目標額は3億円増えるということになりますけれども、こちらは施設更新が進むほど取得原価と減価償却累計額が増えるため、年々積立額が大きくなる、後年度負担が大きくなる仕組みです。とはいえ実態の更新経費の補足をした更新費用との乖離が非常に大きいということは指摘をしてまいりました。道路・公園整備基金、まちづくり基金は使用料などを積むのと、当該年度から10年間の基金活用計画額との平均を算出して、将来の事業費を平準化するよう毎年一般財源を積んでいるわけですけれども、施設整備基金については、なぜそのような積立てを行わないのでしょうか。
【財政課長】将来の事業のための財源として活用する基金の積立て方につきましては、様々な視点があると考えてございまして、施設系基金につきましては発生主義の考え方を取り入れたものでございまして、道路・公園整備基金及びまちづくり基金につきましては、活用事業の進捗も踏まえ、基金の積立てについて整理をしたものでございます。今後も財務諸表などの様々な活用も視野に入れて、財政運営の基礎となるデータについて研究していきたいと考えてございます。
発生主義とか今御説明いただきましたが、この道路・公園の基金の提案を私がさせていただいたので、そこは分かっているんですよ。指摘をしたいのは、将来負担が大きくなる仕組みじゃなくて平準化しましょうという話をさせていただいております。そこについては検討いただきたいと思います。今年度の財政白書から施設分類などの取得原価と減価償却率がチャートで表示されています。区営住宅に関しては減価償却率が100%に達している施設もあって、平均約92%になっています。区営住宅整備基金には区営住宅の長期修繕を行うなど、長期積立てを行っているんでしょうか伺います。
【財政課長】区営住宅整備基金につきましては、長期修繕のための積立ては行ってございません。
何でという声がありました。区有施設整備計画の改定に合わせて、今後、長期修繕の時期なんかも示していくのかなと思うんですが、その辺りについて確認させてください。
【住宅課長】区営住宅につきましては、住宅の修繕、建て替え及び民間の賃貸住宅の活用など、トータルとしてその在り方について検討していく必要があると考えてございます。次年度において国土交通省が示します公営住宅等長寿命化策定指針を踏まえ、区有施設整備計画とも整合を図った区営住宅の長寿命化計画の策定を予定してございます。区営住宅の改修スケジュールについても、長寿命化計画において検討してまいります。
次年度までに長期修繕の考え方を示すという認識ですかね。ここの基金の考え方については後ほど伺いますけれども、区営住宅に関しては今、賃料ですか、使用料という形で約1億2,000万円の収入がありますけれども、こちらに関しては現在何に使われているんでしょうか。
【住宅課長】区営住宅につきましては、指定管理者制度を活用して管理運営を行っており、使用料につきましては全額を区営住宅の管理運営費に充ててございます。
ほかの道路・公園整備基金なんかも使用料は基金積立ての財源にしておりますけれども、施設に関しては委託費なんかに充てているんですかね。区営住宅整備基金についても今後、全体の修繕費、非常にかかってくると思うので、この賃料、この収入ですね、どの程度全体の額を賄えるかは分かりませんけれども、しっかり財源として検討していくべきだと思います。また、区の考えとして、これまで計画を出したタイミングで、その施設に関しても基金の積立てを行っていくという考えでありましたので、その区有施設整備計画の中で長期修繕を位置付けるのであれば、区営住宅整備基金においても必要な基金の積立ての考え方を整理した上で積立てを行うべきと考えますが、併せて見解を伺います。
【財政課長】 今後の区営住宅の整備に係る考え方を踏まえまして、当該基金の今後の利活用などについて整理する必要があると認識しているところでございます。今後、計画等と歩調を合わせながら検討していきたいものでございます。
しっかり考え方は検討していただきたいと思います。先ほど指摘をしましたけども、区営住宅に関しては減価償却100%に達している施設があるので、既存の施設の基金の積立ての考え方では特になじまないと思っております。道路・公園やまちづくり基金方式に近い形での検討をお願いいたします。ほかにも区有施設整備計画の改定に当たって、これまで建て替えであったり、修繕の考え方が示されない、示されていないものが今後示されるのであれば、基金の積立てであったり、財源の考え方も併せて示していただきますようお願いいたします。
令和6年3月に児童館整備計画が策定され、児童館の改修、中高生館などの改築または大規模改修が予定をされています。一般質問の中で白井委員、総括で甲田委員も指摘されていましたが、計画の作成後にもともと予定されていた若宮児童館に加えて、場所は具体的に示されておりませんけれども、南部の児童館も新たに1館、中高生館にするという報告がありました。子ども文教委員会では、財源や必要な費用について所管外として議論ができなかったわけですけども、財政課としては南部の中高生館を含め、児童館の改修改築に必要な建設費用は把握しているのか。また、それらを踏まえた上で政策決定しているのか見解を伺います。
【企画部長】施設整備の政策決定についてでございます。施設の建て替えにおきましては多額の経費を要するため、財政課で把握をいたしまして、財政フレームにも反映しているところでございます。政策判断におきましては、様々な情報、エビデンスに基づいて行われておりまして、その中には建設費用ですとか、特定財源の状況を踏まえて行っているところでございます。
中高生館に関わる建設費用を把握しているのかという質問に関して、もう少しダイレクトにお答えください。
【企画部長】中高生館につきましては、基本的には児童館の改修工事を考えて予定しているかと思います。例えば今年度につきましても児童館の改修等を行っておりますけれども、2館で3億5,000万円ほどかかりまして、特財が3分の2ぐらい当たるということでございますので、中高生館の改修につきましても基本的には同程度かなと今の時点では考えているところでございます。
普通の児童館の改修については、そのような認識でいいと思うんですよね。中高生館に関しては大規模改修もしくは改築というものを今、調査検討しているという段階で、私の感想ですけれども、改築ありきの進め方に感じる部分もあるんですよね。そうしたときに、本当に改築の経費も含めて考えられているのかというところが非常に疑問で、これに関しては年度途中、3月に計画ができた後に前定例会で報告されているので、当然財政フレームにも反映されていないんですよ。南側の中高生館に関しては。その点について、しっかり財政の感覚を持って政策決定をしていただきたいと思っております。ちなみに、令和6年度の社会福祉整備基金は基金積立目標どおりに積めているんでしょうか。
【財政課長】社会福祉施設整備基金の令和6年度の減価償却累計額相当額の25%の年度末残高目標金額は約34億円でございまして、現在の残高見込みと比較しますと約8億円の不足となってございます。
今後、新しくいっぱい造っていこうというところで、財源も積めていないわけですよね。中野区の今の財政規模からしたら、34億円て決して積めない金額ではないと私は思っております。そういった政策を進めるのであれば、財源の裏付けも必要ですので、しっかり積立てを行ってください。
児童館整備計画の改定スケジュールを見ると、文園児童館は桃園第二小学校と、野方児童館は平和の森小学校の建設が遅れることで、スケジュールがかぶる可能性があります。文園児童館の地域の方から、その間、学童はどうなってしまうのかという相談を受けました。児童館の改修に関しては、学校の建て替えと時期がかぶらないよう、キッズ・プラザと学童が整備されてからにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
【育成活動推進課長】児童館運営整備推進計画におきまして、大規模改修は児童館内の学童クラブの廃止の時期に合わせて実施することとしております。また、緊急性が高い場合には、学童クラブを廃止前に大規模改修を実施することもありますが、その場合には代替場所の確保など、継続性を担保していくこととしております。文園・野方児童館の大規模改修は、学童クラブの継続性を確保しつつ、キッズ・プラザの整備スケジュールと調整を図りながら進めてまいります。
ありがとうございます。小学校に関しても、スケジュールがこれからどうなるか。ちょっと遅れるんじゃないかという懸念もありますけれども、時期がかぶらないようにということと、きっちり学童の場所を確保されるようにお願いいたします。令和6年度予算によると、歳出は児童館各種改修工事約6億3,000万円を財源としておりまして、国と都の支出金で2億3,400万円が見込まれているわけです。児童館、中高生館の改修改築の財源に関しては、私としては補助金があるので、財源措置されるので、一財の負荷が小さいということで納得してきた経緯があるんですけれども、児童館の改修改築に必要な補助金確保の現在の状況について伺います。
【育成活動推進課長】児童館の大規模改修に当たり、国の次世代育成支援対策施設整備交付金の活用を検討しております。今年度におきましては、年6回の事前協議、申請のタイミングがございます。区といたしましては、令和6年4月の第2回協議にて申請を行う予定としておりましたが、令和6年2月の第1回協議で国予算額の上限に達してしまい、以降の協議は防災対策等のみを受け付けるとの通知を受けております。現在のところ、国の動きを注視しながら対応を検討しているところでございます。
そもそも6回あるものですが、思ったよりも多分自治体から手が上がって、予算がいっぱいになってしまったという想定外のこともあるんだとは思うんですけれども、それが分かったのは4月の段階ですか。この間、報告がなかったのはなぜでしょうか。
【育成活動推進課長】 現在のところ、国も補正予算を検討しているというふうに聞き及んでおりますので、それを注視しながら動向を確認しているところでございます。
しかし、今年度予定されていた改修のスケジュールに影響があるのかないのか。あるのであれば、すぐに報告すべきだったんではないでしょうか。
【育成活動推進課長】現在のところ、そのスケジュールの遅れですとか、そういった大体いつ頃になるのかといったような見込みがまだ立っていないところから、はっきりとした報告ができなかったというふうな状態でございます。
やはりこういうスケジュールに関することであったり、重要なことはなるべく早く御報告いただきたいと思います。児童館だけではなく常設プレーパークに関しても、環境整備に工事費がかかると。私は、この財源がまた補助金があるということで、国としてはやはりこういう政策をバックアップしているんだなということで感じていたわけです。委員会でもさんざんその質疑をしていたので、補助金の進捗状況についてはやはり今後も丁寧に御報告いただきたいと思いますが、いかがですか。
【育成活動推進課長】今年度予定している児童館の大規模改修に関して、特定財源の確保状況等も含めた今後のスケジュール、また中高生機能強化型児童館となる若宮児童館の大規模改修改築等、それぞれの概算費用などについては今後、委員会報告を行う予定でございます。
続いて、中野駅新北口駅前エリア市街地再開発事業について、事業が遅れることによってサンプラザの維持管理など、生じる負担を施工事業者に求めることについては、これまで特別委員会等で様々な委員が指摘をしてまいりました。しかし、公明党の小林幹事長の質疑の中で、今年度予定されていた転出補償金が入ってこないこと、事業見通しが立っていないということが明らかになりました。中野駅周辺特別委員会のやり取りの中で、MN21の権利返還が遅れることによって支払う負担金は、利子と固定資産税を合わせて月2,200万円程度ということで、年間でいうと2億6,400万円。これに加えて起債の利子などを考えると、年間3億円程度負担がかかってくるんじゃないかという状況です。施工事業者と早期に協議した上で、起債の償還が遅れることによる金利の負担をどうするか、長期で借り換えるのか、今年度償還分について予定どおり償還するかなど、中野区としても対応を早期に決めなければなりません。中野駅新北口駅前エリア市街地再開発事業についての検討状況と、今後の方針について早急に委員会で考えを示すべきと考えますが、どうでしょうか。
【中野駅新北口駅前エリア担当課長】中野四丁目新北口駅前市街地再開発事業については、工事費高騰等の影響により本年度内からの事業執行ができない状況となっておりまして、現在、区として施工予定者に今後の対応方針を求めているところでございます。本事業の進捗が区政運営に大きな影響を及ぼすことにもなるということは認識しておりまして、区としては事業の進捗状況、検討状況を適宜、区議会に報告して進めていきたいと考えてございます。
事業のところはしっかり協議していただきたいと思います。仮にその負担を中野区として払っていくとなった場合、中野区としてどこまで早期に払えるような準備があるのか。そういったことも検討を進めなければならないと私は思っております。現時点での財政調整基金の施設改修分と年度間調整分、それぞれの残高について確認をいたします。
【財政課長】令和6年度第3次補正後予算の財政調整基金の施設改修分の残高見込みは約62億円、年度間調整分の残高見込みは約227億円となってございます。
施設改修分と年度間調整分を合わせて289億円。ここに加えて、令和5年度の決算剰余金のうち20億円程度が追加、積み増されるということになります。区は、年度末の年度間調整分残高200億円を維持するという考え方をしておりますから、ここからも一定額を割いて償還金に充てるという考え方もできます。区としても今後予定された事業や財政運営を踏まえた上で、ここから支出できる金額については検討してほしいと思います。令和6年度に中野駅新北口駅前エリア市街地再開発事業で予定された歳出のうち、特定財源による歳入を除いた一般財源の見込額は幾らでしょうか。
【中野駅新北口駅前エリア担当課長】令和6年度予算では、中野四丁目新北口駅前地区市街地再開発事業補助としまして109億4,000万円余を計上しておりました。なお、本事業補助については国庫支出金及び都支出金の対象となりまして、一般財源については都区財政調整基金財産費の対象でございまして、一般財源は40億9,000万円余を計上しているものでございます。
この40億9,000万円は、執行すれば後の財産費として算定されて入ってくるものですが、どちらにしても今年度執行の見込みはないわけですよね。ですので、令和6年度市街地再開発事業費は一般財源、今の40億9,000万円を今年度の起債の償還予定の44億円に充てて、予定どおり年度内に返済してしまえば、どうでしょうか区の見解を伺います。
【財政課長】償還に関しましては、中野駅新北口駅前エリア再整備事業の事業スキームに基づきまして、区財産の処分により転出補償金を想定していたところでございます。今後の償還につきましては状況を踏まえ、検討していく考えでございます。
あくまでも全体を捉えた上で検討していただきたいと思います。これらの対応しだいでは実施計画に位置づけられた新規拡充事業についても先延ばしすることも含めて考えなくてはいけないと思います。今後、令和7年度の予算編成にも非常に大きな影響がありますので、この市街地再開発事業に関する方針を踏まえた上で、令和7年度予算編成に当たっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
【財政課長】中野駅新北口駅前エリア市街地再開発事業に関しましては、事業費が大きく変更があった場合は財政フレームに大きく影響を与えるものと考えてございます。今後の方針を踏まえた上で、令和7年度予算編成に臨んでまいりたい考えでございます。
ありがとうございます。続いて、公金運用について伺ってまいります。転出補償金が入ってこないという状況で財政見通しが大きく変わったため、あまり積極的な公金運用はできないかもしれませんが、基金の運用益で起債の利子や遅滞、遅延によって生じる負担金を相殺していくという考え方もできますので、提案させていただきます。
平成21年の中野区では、基金残高約417億円に対して0.69%の2億8,800万円の運用益を上げておりました。平成25年に日銀が量的質的緩和をして、10年国債平均利回りはゼロ程度で推移するようになり、基金残高が増えているにもかかわらず運用益は減少傾向です。令和5年度は基金残高約792億円対し、運用益0.08%の6,200万円となっております。令和6年度に金融政策の転換により10年国債利回りは徐々に上昇し、0.8%まで回復をしております。金融政策の転換により金利が上昇しているため、中野区においても公金運用の方針を転換し、金利の高い債券の保有などにより運用益を増やすことが求められます。総務委員会で報告された令和5年度資金収支状況によると、積立基金残高792億円のうち、普通預金が614億円で78%、債券が14億円で約2%、定期性預金が164億円で約20%となっております。この割合は年間を通じて変動はないのか。変動するのであれば、その理由も併せて伺います。
【資産管理活用課長】基金運用に当たりましては、各基金への積立てですとか、一般会計の繰入れに係る計画及び歳計現金の残高を踏まえて運用期間を設定しているため、積立基金残高における運用割合は変動してございます。3月末におきましては、まちづくりですとか施設整備関連の支払いが予定されてございまして、また財政調整基金につきましては繰替え運用が必要となった場合に対応するため、普通預金の割合を高くしているところでございます。
変動があって、年度末高くしているということです。例えば先月末、令和6年8月における債券、定期預金それぞれの運用額及び積立基金残高に占める割合を確認します。
【資産管理活用課長】令和6年8月末における債券の運用額は約21億円で、積立基金残高に占める割合は約2.5%でございます。定期性預金の運用額は約804億円で、積立基金残高に占める割合は約97.5%となってございます。
年度中に関しては定期性預金の運用が圧倒的に高くなっているということです。年度末は流動性の高い普通預金にそれで戻しているということで、定期預金は1年以内の短期の定期預金が多く保有されていることが分かります。令和5年度の運用益は6,200万円となっております。このうちの債券運用による運用益、預金運用による運用益はそれぞれ幾らか、どのぐらいの割合を占めているのか伺います。
【資産管理活用課長】令和5年度の運用益6,200万円のうち、債券運用による運用益は約400万円余、預金運用による運用益は約5,800万円余となってございます。債券運用によるものが約6.5%、預金運用によるものが約93.5%となってございます。
運用額、母数が全然違うので、あまり参考にならないんですけれども、中野区の場合、債券割合は大体2から2.5%で運用されているということで、その割合を高くすると収入も多く見込めます。世田谷区は、令和6年度公金運用計画で令和5年度の債券運用割合29%強となっておりまして、中野区の10倍以上です。令和5年度の利子収入は2億8,000万円、令和6年度で約4億5,000万円を見込んでいます。世田谷区の基金積立残高は1,593億円と中野区の約倍程度ですが、令和5年度の実績比で利子収入は中野区の約4.5倍となっております。この違いは、世田谷区が債券運用の割合を高め、より積極的に運用しているためです。令和6年度に世田谷区が見込んでいる0.28%の運用益を中野区が出せれば、2.2億円の運用益を出すことができます。また、10年国債平均利回り0.86%で、現在と同水準だった平成24年の中野区は0.34%の運用益を出しておりまして、現在の基金残高で計算をすると、およそ2億7,000万円の運用益が出る計算です。これはMN21で生じる負担金とほぼ同額の金額になります。中野区の8月末の債券運用割合は2.5%ということですが、債券による運用割合を高めてはどうでしょうか。
【資産管理活用課長】基金運用につきましては、地方自治法の規定に基づき確実かつ有利な方法による運用に努めてきたところでございます。マイナス金利政策の解除に伴いまして、預金及び債券の金利が上昇していることにつきましては承知しておりますけれども、債券は利回りがよいことが多い一方、始期と終期が自由にならないこと、また、途中の解約が制約されるなどのデメリットもございます。金利動向及び各基金の積立て・繰入れ計画等を適宜適切に把握することにより、債券による運用割合を高めることも含めて検討していきたいというふうに考えてございます。
先ほど財政調整基金については、3月末は繰入れ運用が必要となった場合に対応するため、普通預金の割合を高めているという答弁がありました。まちづくり基金については、107億円全額普通預金としているが、その理由を伺います。
【資産管理活用課長】基金から一般会計へ繰入れを行う金額につきましては、当初予算でそれぞれ定めているところでございますけれども、まちづくりや施設整備関連の支払いで3月末に予定されているものが多く、また、補正予算において繰入額が増加する可能性もあることから、3月下旬に満期を迎えるような運用としていたため、普通預金残高が多くなっているところでございます。
特定目的基金については、補正予算などで繰入額を増額しない限り、当初予算から追加で必要になることはないはずで、令和5年度の予算と決算と比較をすると、まちづくり基金については繰入額、予算36億9,000万円に対して決算は34億7,900万円と減額をしています。全基金の中で唯一増えているのは義務教育施設整備基金の予算31億2,000万円に対して、決算34億9,000万円と3億円弱増えているのみです。それ以外の基金は、当初予算にも繰入額は減額されています。令和5年度末の基金における普通預金は全体で614億円、義務教育施設整備基金に関しては142億円あるんですけれども、本当にこんなに必要なのかということで、計画的な基金積立て・繰入れができれば、普通預金から債券運用に回せる金額はもっと増えるはずです。今後検証をお願いいたします。世田谷区では財政調整基金、減債基金以外の基金については全額債券運用に充てております。中野区も特定目的基金については債券運用を検討してはどうでしょうか。
【資産管理活用課長】特定目的基金を債券で運用する場合には、複数年度にわたり一般会計の繰入れができなくなります。今後もまちづくり等に基金を活用することを予定しているため、特定目的基金の大部分を債券運用することは難しいと考えておりますけれども、基金の積立て・繰入れ計画を踏まえ、できるだけ有利な運用に努めていきたいというふうに考えてございます。
大部分、いきなり大きな金額をやるのは難しいと思うので、少しでも今よりも普通預金から債券に運用できる割合を増やしていって検討していただきたいと思います。令和6年度当初予算概要の財政フレームによると、基金残高は令和15年まで右肩上がりに増えて、977億円にまでなる予定です。基金の積立て計画の精度を高めることで、特定目的基金における普通預金の割合を減らし、債券や定期性預金などによる長期運用の割合をさらに高めることが可能であると考えますが、区の見解はいかがですか、
【資産管理活用課長】運用益を上げるためには、より利回りのよい長期運用の割合を高めることが重要であると考えているところでございます。これまでも各基金における積立て・繰入れ計画を踏まえて運用方針を定めているところでございますけれども、引き続き長期運用の割合をさらに高めることに努めてまいりたいというふうに考えてございます。
その普通預金の額を幾らにするかということですね。過去の実績だけでは参考になりませんけれども、大体年度間でどのぐらい予定外の繰入れがあったかなど、特定目的基金については見ていただきたいと思います。また、債券運用におけるリスク分散の手法として、ラダー運用という手法があります。異なる満期を持つ債券を分散して購入することで金利変動リスクを軽減し、安定した収益を確保する手法です。例えば普通預金に必要額を確保した上で、10年債を毎年一定割合購入する。あるいは1、2、3、4、5年の満期を持つ債券を購入し、毎年1年分の債券が満期を迎えるようにすることで、金利上昇時には高金利の債券を購入し、低金利時でも既存の高金利債券を保有することができます。このラダー運用の手法を区として検討してはどうでしょうか認識を伺います。
【資産管理活用課長】債券運用の方法の一つとして、残存期間の異なる債券に同額ずつ投資するラダー型運用があることにつきましては、承知しているところでございます。ラダー型運用につきましては、長期、短期を組み合わせ投資することから利回りが総体的に高くなること、金利の変動リスクを平準化できるものであることは承知してございまして、現在の金利上昇傾向を踏まえ、今後検討していきたいというふうに考えてございます。
ありがとうございます。一般質問でも御提案しましたが、区としても具体的な数値も入れた運用方針であったり、運用計画を定めて、年間の運用可能額、そして目標利回りと目標利子収入を公表すべきと考えますけれども、債券運用の考え方については今後、段階的に検討を進めていただきたいと思います。やはり皆様からお預かりしている税金で元本割れがあってはなりませんので、しっかり中野区としても元本保証型の債券であったり、あるいは金利固定性の商品による運営を行っていただきたいと思います。一方、大阪府の河内長野市なんかでは変動性の債券を購入して、キャピタルゲインを出しているような自治体が同じ国内でもあるわけです。中野区としては、まず今よりも少し積極的な債券運用を検討していただきたいと思います。
この後、民泊と自治体DXの質問を予定していたんですが、すみません。ちょっと間に合わないようなので、第4回定例会の一般質問に回させていただきたいと思います。これで質問を終わります。どうも御清聴ありがとうございました。
中野区議会議員(無所属)1987年1月29日生まれ 36歳 卯年 中野区・中野在住
法政大学大学院政策創造研究課程修了。大学在学中は極真空手に打ち込み関東大会準優勝。2010年には東京大学アントレプレナーシップ論講座で最優秀賞を受賞。2015年中野区議会議員選挙で1268票獲得するもあと170票およばず落選。その後、インターネット投票を推進するIT企業を経て2019年初当選。共著に「弱者にやさしい会社の話」(KINDAI E&S BOOKS)
所属委員会
総務委員会 副委員長/情報政策等調査特別委員会 委員
その他活動
NPO法人ストリートデザイン研究機構 専務理事/グリーンバード中野チーム リーダー/昭三自治会 防災部長/中野消防団第六分団 団員/東京青年会議所中野区委員会 広報幹事/第45回わんぱく相撲中野区大会 実行委員長/中野区赤十字奉仕団昭和分団 団員/昭和区民活動センター運営委員会 委員/中野区青少年育成昭和地区委員会 委員/中野区交通安全対策協議会 委員/中野駅前大盆踊り大会実行委員会 委員