持続可能な財政運営を行うため、予算編成手法を見直せ~令和6年予算特別委員会総括質疑~

令和6年予算特別委員会総括質疑と答弁を全文掲載いたします。

○立石委員 令和6年予算特別委員会において総括質疑を行います。令和6年度予算案に関しては、財政運営の考え方どおりに基金積立てができていない点、また、年度末残高の達成が難しいという点で、今回の予算案には問題があります。財政運営の考え方では、デフレから脱却できる千載一遇のチャンスを迎えており、実質賃金が物価に追いついていない状況であることから、区民生活を支える支援に絞った予算であれば理解できるんですが、そうでもない。特にDX施策についてはここ数年、アフターコロナによる新しい生活様式、新庁舎移転を契機とした新しい働き方を目的に多額の投資を行ってきました。まさに来年度はその果実を収穫するタイミングですが、これまでの施策が全庁的に浸透していない状況で、次の投資に手をつけている感が否めません。

 令和6年度当初予算(案)について伺ってまいります。当初予算概要の基金・起債を活用する事業一覧に記載されている義務教育施設整備基金における基金と起債の充当率を計算したところ、起債の比率が令和7年度までは50%以内ですが、令和8年度以降は70%になっており、起債への依存が高くなっております。中野区は独自の中野区公債費負担比率を設けており、10%以内に抑えるということで基金と起債を運用しております。近年、物価高騰の影響に伴い、金利が高騰しておりますので、基金と起債活用の考え方も検討が必要になります。来年度は普通債の利子が2億9,800万円計上されておりますが、ここ数年の金利の推移と今後の見通しについて伺います。

○竹内財政課長 お答えいたします。起債に係る利率につきましては、借入れ先や借入れ条件によって異なりますが、財政融資資金を一例として取り上げますと、令和3年及び令和4年2月においては0.2%、令和5年同月は0.6%、直近の令和6年同月は0.8%となり、大幅に上昇していると認識してございます。

○立石委員 令和6年度の見込みはいかがでしょうか。

○竹内財政課長 令和6年度の当初予算におきましては、1%で積算しているところでございます。

○立石委員 見込みを含めて4年間で5倍になっているということです。金利が上がれば利子も上がるわけですけども、令和6年度から令和9年度まで564億円の起債を予定されております。固定金利制なので、起債を発行した時点での金利が適用されるわけですけども、日本はデフレ脱却の局面にあること、また今後は日銀がマイナス金利を解除することが予測されるため、これまでの低金利という前提を疑って、財政課としても今後の動向を注視した上で基金と起債のバランスを検討いただきたいと思います。また、起債の償還年数についても金利の影響を考慮していただくようお願いいたします。

 次に、基金積立てについてです。要求資料総務92で、施設の取得価格と減価償却累計額を出していただきましたので、質問したいと思います。決算値の数値なので、資料には令和4年決算までしかありませんが、基金の対象となる施設全体の減価償却累計額は令和2年から令和3年で23億増加、令和3年から令和4年で31億円増加と、年々増加しております。増加率も上がっております。令和5年度分については決算値がないので参考値となりますが、減価償却累計額は幾らを見込んでいるのか伺います。

○竹内財政課長 令和5年度末の減価償却累計額の見込みでございますが、今年度行われる改修など全てが反映されているわけではございませんが、財政調整基金施設改修分が556億1,300万円余、義務教育施設整備基金が349億1,700万円余、社会福祉施設整備基金が129億7,500万円余と見込んでございまして、増加傾向を想定しているところでございます。

○立石委員 施設全体ですと減価償却累計額は1,035億円で、令和4年度から50億円増加しているという、年々増加率が上がっている状況です。施設整備基金に関しては、減価償却累計額25%を年度末の基金残高の目標値としておりますが、義務教育施設整備基金、社会福祉施設整備基金、財政調整基金の施設改修分、それぞれの令和6年度末残高に対する目標値との差額を教えてください。

○竹内財政課長 まず義務教育施設整備基金の年度末目標値との差額でございますが、29億8,000万円余の超過となってございます。社会福祉施設整備基金につきましては8億600万円余の不足、財政調整基金施設改修分につきましては54億1,100万円余の不足となってございます。

○立石委員 義務教育施設整備基金は超えているということですが、全部差し引くと整備基金は32億円不足、年度間調整分は200億に対して37億円不足のため、年度末残高は合計69億円の不足ということで、年度中に見込める一般財源の歳入は、給付金の立替金の46億円、定額減税の影響で16億円、給食費5億円ということで、67億円で2億円足りないという状況です。過去の実績ベースで見ると、決算剰余金等も入ってきますけれども、当然補正予算による歳出も発生しますから、現時点で年度末の基金残高の達成は困難であると考えます。

 減価償却累計額という指標で、施設更新に合わせて取得原価が徐々に増えていく。そして、後年度の積立額は大きくなるという指標であるため、白井委員も指摘されておりましたが、この基金積立目標値として不適切な部分も多いかなと思っております。ただ、当分はこの財政運営の考え方について改める考えはないということなので、今後どのように減価償却累計額が増加していくのかシミュレーションして、議会に示していただきますよう要望いたします。また、以前にも提案しましたが、後年度の負担が大きくなるため、積立ての負担を平準化するため、25%の数値が妥当なのかも検証していただくことを要望いたします。

 これまで決算特別委員会などで、現状の基金積立目標額では今後のインフレや施設面積、平米単価の上昇分を賄えないため、積立目標率を引き上げるべきと質疑をしてまいりました。今回は目標値を引き上げるまでもなく、現状の目標も達成できていませんので、問題の所在が変わってきています。最終的には本気で基金を積み立てる、財政規律を守るというようなことが必要なんですが、仕組みについて詳しく聞いていきたいと思います。

 これまで常任委員会で、実施計画でかかる予算額、施設更新に必要な更新経費など質疑をして感じたこととしては、各部署における予算感覚が不足しているのではないかと感じました。新たな財源措置が必要な事業や多額の更新費がかかるものについて質疑をしても、財源の確保は財政課に任せているので、把握をしていないというふうに解釈できるような答弁もありました。予算編成の過程において部の総事業費を各部で抑えるよう、責任と権限を委譲していく必要があるのではないでしょうか。現状では、各部署が経常経費である一次的経費、新規事業である二次的経費の総額の要求限度額を把握して、予算査定に臨んでいるのか伺います。

○竹内財政課長 まず、一次経費につきましては各部にフレームを示してございまして、フレームの中で要求することを求めてございます。二次経費につきましては、基本構想に沿って基本計画を着実に進めるため、また区民が安全安心して生活できるよう、様々な状況を踏まえ、各部が必要な額を予算編成方針にのっとり予算要求をしているとの認識から、各部に総額は示していないところでございます。

○立石委員 新規事業については、各部にどれぐらいの額が当てはめられるか分かっていないということです。令和6年度に関して実施計画で事業内容が既に決まっていたということで、新規事業で使える予算額をオーバーして、基金の積立てができなかったというふうに認識をしております。ただ、本来であれば実施計画がまだ完成していないので、基金積立額を確保して、一般財源充当費が収まるよう事業の計画期間を調整すべきだったと考えます。令和7年度、令和8年度に関しては、幸いにも実施計画に既に事業が位置付けられておりますので、次年度の当初予算編成では基金残高を確保し、新規拡充事業の全体要求限度額を企画部が主導で事前に各部へシェアを割り振りし、一次経費、二次経費の合計限度額を各部へ示し、各部が予算内に収まる工夫を一層図るように、予算編成手法を見直してはどうでしょうか。

○竹内財政課長 二次経費につきましては合計要求限度額が超過し、予算規模が拡大していることは認識してございます。合計要求限度額を各部に示すことも含めて、歳出抑制の手法について検討してまいりたいと考えてございます。

○立石委員 足立区では包括予算制度といって、各部ごとの要求限度額も予算編成方針に示して、9月に公開をしております。各部が要求限度額に収める努力をするため、第4回定例会などで取組を議会に報告する際、各部の要求限度額を示してはどうでしょうか。

○竹内財政課長 年度ごとで各部の課題が異なり、各部ごとで要求限度額を設定することは難しいと考えてございます。限られた財源を有効に配分するため、必要な基金積立てを行いながら、歳入に見合った一般財源充当事業費となるよう、手法については検討してまいりたいと考えてございます。

○立石委員 先ほどの1個前の質問で、示すことはできるけども、設定は難しいということで、予算編成方針手法を大きく変更することは慎重にやらないといけないところもあると思うので、まずは示すところから、そして設定をしていくというふうに段階的に検討を進めていただきたいと思います。

 続いて、DX施策について伺ってまいります。

 MS365とBYODの活用に関してです。MS365には会議録システムやWeb会議システム、またグループウェア、AI、RPAの作成ツールなど様々な機能を備えているため、同種の機能を持つサービスを整理統合していくことが可能になります。これまで廃止したサービスと、これから廃止を検討していくサービスについての見解、現状を伺います。

○伊東情報システム課長 お答えいたします。まず、旧グループウェアを廃止したほか、Zoomのライセンス料につきましても、TeamsのWeb会議で大部分を代替できることから、最小限の調達といたしました。また。職員課が使用しておりますRPAにつきまして、MS365の機能を利用したものに置き換えました。なお、会議録システムにつきましては、廃止に向けてTeamsの会議録機能で代替できるかどうかを検証しているところでございます。

○立石委員 Web会議システムですと、今まで入れたZoomなども統合の対象になるのかな。職員の超過勤務の把握と休暇の勧奨メール、これはRPAで作成していたものを統合されたということで評価したいと思います。今後もそういった整理統合については積極的に進めて、報告をお願いいたします。

 中野区では、MS365を導入して、1アカウントで5台の端末まで活用できるような形になっておりまして、また、BYODといって職員のスマートフォンで私的な領域と仕事用の領域に分けて、しっかりセキュリティを担保したような形でモバイルワークができるIntuneというアプリを使っております。それを基に、BYODの試行をこの数か月行ってきたと認識をしております。来年度予算には、そういった庁外に様々な端末を持って働くことを想定したような予算もついておりますので、そちらに関して伺っていきます。

 施設保全に工事現場用のタブレット運用経費等538万円が計上されております。これらは工事現場に図面を持ち込むことなく、タブレットで閲覧できるペーパーレス化を想定しています。ほかには、道路支援業務システム用タブレット導入経費100万円が計上されておりまして、これは外からGISを閲覧して、場合によっては情報を更新することを想定されております。ほかには、児童相談所相談援助業務モバイルシステム約3,840万円が計上されております。これら相談業務に当たるワーカーが出先で相談業務を入力できるといったことを想定されています。このように様々な用途で端末が導入されていますが、各所管でモバイルワークを可能とするシステムの妥当性であったり、端末が二重投資になっていないかどうか、チェックを情報システム課がきちんと行っているのか伺います。

○伊東情報システム課長 各課でシステムや機器の調達を行うに当たりましては、中野区システム調達ガイドラインに基づきまして、仕様書や見積額の精査等を行っております。また、構想企画段階からシステムを導入する業務所管課を支援し、導入に当たってのシステム調達の妥当性の確保や、委員御案内のありました二重投資防止などの調達の適正化に努めているところでございます。

○立石委員 今三つ紹介したシステムは、それぞれ用途が違ったりとかしていて、必ずしもIntuneを活用できないのかなと。ただ、一つ目で紹介したものはIntuneですね。工事現場で図面を見るものに関しては入っているということだったと思うんですけれども、児童相談所のモバイルシステムに関しては、基本的に相談業務というのは施設の中でシステムが閉じた形で行っているけども、将来的にはそのシステムが外からつなげるようになったら、そちらで端末を持ち出せるようなことも想定しているというお話を伺っておりますので、今、先に導入した端末も将来的に統合していただきたいですし、そういう方針も併せて本来は示していただきたいと思っております。

 続いて、デジタル基盤整備、みらいステップなかのの庁内情報システム用無線ネットワーク環境の構築939万円が計上されています。庁外施設のインターネット環境は現在有線となっており、全体のネットワーク環境の在り方を示した上で無線化を進めると、過去、情報特でそういった議論があったと思います。こちらが先行している理由と検討過程、どのような過程を経て導入に至ったのか御説明お願いいたします。

○伊東情報システム課長 庁外施設の庁内情報ネットワークの無線LAN化につきましては、令和5年第1回定例会で報告しましたとおり、その需要ですとか施設の更新等を踏まえまして、段階的に整備を進めることとしてございます。今般のみらいステップなかのでは、Web会議用にインターネット系の無線LAN、これは職員用でございますが、そちらを所管課が独自に調達してございまして、当該契約は今年の令和6年11月末で終了することとなってございます。これに代わりまして庁内情報ネットワークの無線LAN化を行うことで、導入済みのMS365を用いたWeb会議が可能になるなど様々なメリットがあるため、当該施設の庁内情報ネットワークの無線化を行うというものでございます。なお、今後、他の庁外施設につきましても、ネットワーク機器のリース期限等を踏まえまして、一定の需要がある庁外施設に関しましては無線LAN化を行っていく予定でございまして、みらいステップなかのの無線LAN化で得た知見を生かして、効率よく整備を行っていきたいというふうに考えてございます。

○立石委員 今、リース期限というところで、このタイミングで検討に至ったということですけれども、様々な施設の端末やシステムが、リースが切れる期限というのは分かっているわけじゃないですか。そこに合わせて全体の方針を示していただきたいと思っています。時間の都合でたどり着くか分からないんですけど、教育の情報システムに関しても、リースの切れるタイミングで新しい考え方をしないと、短期間、5年間でリースを結んで2年で解約したりすると違約金が発生したりするので、その点は全庁的な情報システム課がサポートしていただくようお願いをいたします。

 続いて、デジタル基盤整備費に区が開催する会議のペーパーレス環境整備95万円が計上されております。中野区として既にルーターを89台所有しております。また、新庁舎において区民が活用する会議室においては、無線LANが整備されていると認識をしています。具体的に新庁舎においてどの会議室でどの程度の頻度の活用を見込んで計上しているのでしょうか。

○伊東情報システム課長 主に6階の会議室の利用を想定してございます。1階ですとか4階にある会議室には区民用のインターネット無線LAN環境が整備されてございますが、6階の会議室等には区民用のインターネット無線LAN環境がないため、今般ルーターを活用して通信環境を確保するというものでございます。対象の会議としましては、附属機関設置の約30の審議会、委員会で活用される想定でございまして、そのほか多数の会議が存在することから、相当数活用されるというふうに想定してございます。

○立石委員 6階、8階に関しては無線LANがないということで、そこで審議会を開催するための今回ルーターを調達すると。6階、8階に無線LANを整備しなかった理由はなぜですか。

○伊東情報システム課長 6階、8階の会議室は、一般の区民等が1階、2階とかみたいに自由に出入りするということではなくて、あくまでも会議のために区民の方とか関係機関の方が来るという想定でございますので、1階、2階等のように区民用のWi-Fiは必要ないということで、当初は設置をしていないということでございます。

○立石委員 6階、8階で審議会の利用をするに当たって、ペーパーレスを想定していなかったということですか。

○伊東情報システム課長 これまでのとおり、審議会等につきましては紙の資料で行うというようなことを考えてございましたが、今回、新庁舎移転に合わせまして、ペーパーレスをより一層推進していくという観点から、このルーターを導入して、審議会等でもペーパーレスを推進していくというような考えの下に、今回の事業を進めるというものでございます。

○立石委員 新庁舎に移転するということで、新しい働き方ということで、審議会のところもコロナ禍でテレワークで審議会をやりましょうとか議論があったわけですから、そこは見据えて準備をしていただきたかったと思います。今回ルーターを個別に調達して運用するという手間も考えると、一概にすぐにそこに無線LAN環境を引いたらどうかとは言いづらいですけれども、どこかのタイミングでそういう判断も必要になると思います。

 質問を1個飛ばしまして、庁外施設のインターネット環境や新庁舎のインターネット環境について適切に需要を捉えて、全体として最適かつ効果的なインターネット環境の準備を行うため、インターネット環境の整備手法や、その実施時期について十分な検討を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○伊東情報システム課長 庁舎外の施設におけますインターネット環境の需要調査を行うとともに、新庁舎の区民用Wi-Fiの利用実績ですとか運用手法等を踏まえて、適切な対応を図っていく考えでございます。

○立石委員 続いて、生成AIについて伺ってまいります。区では今年度、無料で利用ができるBing Chat Enterpriseを入れて、検証を行ってまいりました。来年度予算でデジタル整備基盤費、生成AIの導入、約3,700万円が計上されています。無料版の生成AIと新規で導入するMS365CopilotとのAIの性能の違いについて伺います。

○伊東情報システム課長 まず、Microsoft Copilotは、Webブラウザに組み込まれたChatbotでございまして、指示命令に基づいた文章生成ですとか、画像生成を行うものでございます。一方、Microsoft365Copilotは、MS365の各アプリですね、Word、Excel等でございますが、に生成AIが組み込まれたサービスでございますので、指示命令によりまして、Wordの仕様書や企画書を生成したり、Wordの資料を基にパワーポイントのプレゼンテーションを生成すると。そういった機能となってございます。委員御指摘のように、組み込まれている生成AI自体の性能には違いはございませんが、両ツールは目的も利用方法も異なるので、単純にツール同士を比較することは難しいのかなというふうに考えてございます。

○立石委員 乗っている生成AIの性能は同じということで、特定のサービスのことをここであまり詳細言うのも難しいんですけども、私も実際に使ってみました。最初にデモ動画で見たとき、すごくセンセーショナルな、これは導入したらすごいなと思ったんですけど、実際はまだそこまでではないのかなというのがちょっと感想です。ただ、まだそこはやっぱり性能としてはこれから伸びていくんだろうとは思うんですね。総務委員会で生成AIの無料版の試行の報告を頂いているじゃないですか。その中で事業の企画書であったり、報告書であったり、Excelの関数であったり、あるいは社会のトレンドの事例収集というものができたというような結果を報告いただいているんです。これに関して、今の無料版のEnterpriseでできるのであれば、そこで出力した内容をWordに貼る。あるいは、Excelに関しては、Copilot版は日本語対応していないということでまだ使えないんですけども、そういった関数の部分とか、そういったものは無料版でも十分に活用できると思っているんです。その上で、改めてこれを導入する理由をお伺いします。

○伊東情報システム課長 今回導入予定のMicrosoft365Copilotは、Microsoft365の各アプリを指示命令することによって直接実行できることや、区が利用するMS365の領域内に保存したデータ、こちらを参照できるということで、Copilotにはない機能が備わっておりますので、両製品を併用することで生成AIをより有効に活用できるというふうに考えてございます。

○立石委員 Wordについては、先ほど言ったようにコピー・アンド・ペーストでいいと思うんですよ。参照できるという話で、私もちょっと試しでやったところ、文字が、時系列がすごくめちゃくちゃになって、私のプロンプトスキルがなかったというのもあるかもしれないんですけれども、メールの下書きの利用とかを想定されていると思うんですけど、仮に間違った情報が出てきたときに、今後拡大するわけじゃないですか、対象を。職員の方が間違った情報の赤入れというか、間違いチェックがちゃんとできるのか。逆にそこに時間がかかってしまうんじゃないかというような感覚もあります。ですので、やるにしても、本当にごく少数のスモールでやる必要があると思いますし、実際操作をしてみて、どのぐらい使えるかというところももう少し検討されたほうがいいんじゃないかと思いますが、その点はいかがですか。

○伊東情報システム課長 導入は来年度を予定してございますが、今後、情報システム課において数アカウント調達して、本格導入前にテストを行うということを予定してございます。

○立石委員 ちなみに契約の時期はいつを想定されているのか。もともとは、組織は300アカウントからでしたけど、今、1アカウントからも利用できますよね。そういった形で本当にスモールな形での検討を頂きたいと思うんですが、契約の時期ですとか、その辺りのスケジュール感について確認をさせてください。

○伊東情報システム課長 来年度当初300ライセンスを4月から導入して、6月に600ライセンスを追加して、合計、6月から900ライセンスということを想定してございます。契約は4月1日に契約予定でございます。

○立石委員 4月に入れて6月って、新庁舎移転してすぐですよね。先ほど言ったようにインターネット施策を全庁的に普及させていくためには、まだまだ個別の課題がいろいろあると思っています。その中で導入して広げても、ちょっと混乱が起きてしまうんではないかなと思っておりますので、導入に当たっては本当に慎重に検討をしていただきたいと思います。

 続いて、電子契約についての質問に移りたいと思います。来年度予算ですね、新規事業で電子契約についての予算がついております。年間の契約件数と、今回、電子化の対象となる件数の見込みですとか、その点についてお伺いします。

○原契約課長 区では、年間1万3,000件程度の契約を行っておりますが、そのうち契約事務規則にのっとり、契約課で締結する区長契約は1,300件程度であります。この区長契約のうち、電子契約の対象となる契約は、導入当初は6割程度、令和7年度には全ての契約を対象とする見込みであります。

○立石委員 区長契約が対象で、1,300件のうち6割ということで900件ぐらいなのかな。その区長契約以外の全区役所が行っている契約件数は分かりますか。

○原契約課長 区長契約の1,300件を除いた数ですので、おおよそ1万2,000件前後、そういったものが区長契約以外の契約になります。

○立石委員 ありがとうございます。区長契約が10分の1ぐらいということですね。最初はそこから電子化をしていくと思うんですけども、実現した場合のペーパーレス化に資する、どの程度の紙の削減を想定されていますか。

○原契約課長 全ての区長契約を電子化した場合でございますが、契約書をはじめとした紙の書類が年間50ファイルメーター程度削減できると見込んでおります。

○立石委員 ありがとうございます。1ファイルメーターが一般的なA4のコピー用紙1万枚分ということなので、50ファイルメーターだと50万枚。それは区長契約が対象で、全庁は10倍あるわけですから、全部電子化できたら年間500万枚の紙の削減に資すると。単純に所管契約の場合、金額も小さいので、区長契約と同じような紙の量というのは想定できないですが、かなり大きな削減効果が期待できますので、全庁への浸透と区内事業者へのそういった活用の促進を進めていただくよう要望いたします。

 そして、教育DXについて伺います。

 令和5年第2回定例会において、学校現場での生成AIの活用について検討してはどうかと質問をしてまいりました。あれから中野区でも試行が進んでおり、ほかの自治体や学校現場での活用が進んでおります。教職員の働き方改革に資する形での検討をしていただきたいと思いますが、現状の検討状況について伺います。

○齊藤指導室長 生成AIの技術は発展途上にあり、多大な利便性が期待される一方で、個人情報の流出、著作権侵害のリスクなど、様々な懸念も指摘されております。生成AIの活用に関しましては、教育や校務の効率化などの可能性について、国や都の動向、先進的な事例等を教育委員会が学ぶことから始めております。

○立石委員 先ほども話したんですが、情報システム課のほうで生成AIの試行を行ってきて、ノウハウがあるということなので、導入に当たって情報システム課にノウハウの提供であるとか、サポートの提供を求めてはどうでしょうか。

○齊藤指導室長 今後、学校現場での生成AI活用の方向性が定まった際には、情報システム課にも相談をしながら導入を進めていきたいと考えております。

○立石委員 続きまして、学校現場の端末について伺ってまいります。教員は、校務系端末、指導者用端末2台使っておりまして、校長先生、あと事務員の方は庁内情報系端末なので、校長先生は3台の端末を使っている状況で、三つのシステムが分類されていることによって、システム費や端末費も別々で発生している状況です。今年度は11億円、来年度は14億円の費用がかかっております。こちらは更新費等も含まれているわけですが、これらシステムを統合することで億単位の経常経費の削減、大きな財政効果が見込めるのではないかと思っております。しかし、国も方向性を示している一方で、まだ具体的に実現できている自治体があまりないということで、今、先行自治体を募集しているという状況です。庁内情報系端末については情報システム課のほうで調達をかけて、MS365が既に入っている状況です。校務系端末に関してはリース期間が来年度の11月でしたか、たしか切れるという状況です。学習系端末については更新が迫っているというところで、教育情報化推進計画の改定も迫っているわけですが、今年度予算で今後のネットワーク環境の調査などを委託していると思います。そちらの進捗と今後の展望について伺います。

○佐藤学務課長 今年度から委託している学校情報化業務委託については、区の教育におけるICT環境の課題整理や国・都・区等の情報化の動向整理、知見、経験、能力等を活用したコンサルタント業務等を業務委託しているところでございます。今年度もネットワークが不安定になる等の事情が確認されている学校の調査を行い、課題把握をしてございます。来年度もシステム更改検討等の業務委託を進めてまいりたいと考えてございます。

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