子育て団体とのパートナーシップ体制を構築せよ!~令和6年第1回定例会一般質問~

令和6年第1回定例会で行った一般質問と答弁を全文掲載いたします。

1.施政方針説明について

施政方針説明の中で区長は基本計画で掲げた取り組みを推進していくために、持続可能な区政運営の確立が不可欠であるとし、「対話・参加・協同に基づく区政運営」、「危機の発生に備えた体制の強化」、「社会の変化に対応した質の高い行政サービスの提供」の3つの方針に取り組むとしています。持続可能な区政運営の確立するには、「将来需要を見越した財政規律の確立と実現」が不可欠であると考えております。令和6年度予算は財政運営の考え方通りに編制できているのか、区長の見解を伺います。

【区長】令和6年度予算編成においては「「暮らしの安心」と「まちの活力」動きはじめた中野の未来のための予算」とするため、基本計画で掲げた重点プロジェクト、区有施設整備計画に基づく施設整備、社会の情勢を踏まえた区民生活を基軸とした取り組みについて、限られた財源を優先的に配分するものとして、方針に沿って進めてきた。定額減税の影響もあり、財政調整基金を繰入、一部の基金には積立ができていないブブもあるが今後の社会・経済状況の変化を注視し、対応した予算と考えている。

  

令和6年度当初予算概要を見る限り基金積立金は目標額に達していません。当初予算編成時だけでなく、決算剰余金、年度末の財源更生など年度途中においても歳入が大きく増えるタイミングがありますので、基金を積みますことや繰入金を減額することにより財政調整基金など基金残高を調整してきたと認識しています。特にここ数年は歳入の上振れ額が膨らんでおりましたが、令和5年度は大きく減少しています。令和3年度年度末の財源更生では当初予算に対して特別区税: 約24億円増、特別区交付金: 62億円増で合わせて86億円、令和4年度の財源更生では特別区税: 約38億円増、 特別区交付金: 28億円増で合わせて66億円の増、令和5年の財源更生では特別区税:6億円増、特別区交付金:19億円の増で合わせて25億円と税収の上振れ額が減少傾向にあります。上振れ額が大きければその分、年度末に基金を積み増す、また繰入を取りやめることで基金残高をコントロールできる幅が大きくなります。反対に上振れが減ればその調整もできなくなりますので当初予算時に計画的に積まなければ基金残高を維持できなくなります。歳入の上振れ額が減少しているこの状況への認識と持続可能な財政運営についての見解を伺います。

【区長】世界経済の後退懸念や国内経済の回復の遅れ、急激な物価高騰などの影響により、歳入の伸びが鈍化していることは認識している。社会の要請を的確にとらえ、区民ニーズを把握するとともに、常にリスクを想定した財政運営にあたることが重要と考える。

将来需要に備えた基金積立目標額を設定しても、実行できなくては意味がありません。次年度予算の新規拡充事業については主な取り組みとして委員会で報告されていますが、金額に関する質疑は事前審査にあたるためできません。第1回定例会のタイミングで歳出規模についての議論を行っても時期を逸しているため、第4回定例会で基金残高なども踏まえて次年度予算の財政見通しや財政規模に関して議論ができるように一定の工夫を検討いただきたいがいかがか?

【区長】通常、次年度予算で検討中の主な取り組み(案)については、第4回定例会でお示ししており、その後、議会からいただいた意見やタウンミーティング等での意見を踏まえて、1月の中旬まで予算編成を行っている。次年度予算の財政見通しの議会への示し方については検討してまいりたい。

中野区は「子育て先進区の実現に向けて」「地域包括ケア体制の実現に向けて」「活力ある持続可能なまちの実現に向けて」と3つの重点プロジェクトを掲げております。重点プロジェクトを推進していくために中野区がプラットフォームとなり、地域の企業・団体との連携を深め、ともに中野区の行政課題や重点プロジェクトを推進していく仕組み必要ではないでしょうか。例えば子育て先進区のプロジェクトであれば、子どもの貧困対策に取り組んでいる、子供食堂の団体や、フードロスの取り組みを推進している団体など事業毎には横のつながりがあるが、子育て団体という枠組みでのつながりはないと伺っています。このような地域団体だけでなく子供の居場所を開放してくれる企業などとの連携を図ることで中野区と団体間での新しい取り組みが生まれてくる可能性もあります。

中野区の業務委託提案制度は、公益活動を行う区民団体が自らの活動経験や発想を活かして業務を提案し、受託できる制度となっています。「子育て先進区」などテーマを設けて、業務提案を受けるなど、区民団体と具体的に子育て政策を推進していける制度へと見直しをはかってはどうか。

【地域支えあい推進部長】業務委託の提案制度は平成18年度から行っているが、他の助成制度と比べ応募が少なく、効果も限定的であることから制度の見直しが必要であると考えており、区民公益活動推進協議会の意見も伺いながら、検討していく。

また、区としても子育て先進区を目指す上で関連団体に協力をお願いしたい要件を整理して、要件を満たす団体とパートナーシップを結んではどうか?

【子ども政策部長】子育て先進区の実現に向けて、区の政策課題と合致する地域団体・民間企業等との協力関係を築いていくことは重要であると認識している。基本構想で描くまちの姿「つながる はじまる なかの」の実現に向けえSDGsの推進に関わるパートナーシップ制度の導入をしたところである。こうした制度の活用も含めて地域の団体・民間企業等との連携強化に向けて検討を進めてまりいたい。

中野区デジタル地域通貨事業について、区内限定で利用できるキャッシュレス決済アプリを導入し、コミュニティポイントや給付事業等の区施策との連動も図っていくとあります。一方で東京都が同様のアプリを今年夏にも提供を始めると発表しています。1月24日に掲載された読売新聞の記事によると「都のアプリは、ポイントを使える地域を都側が設定できるようにする。一方、健康づくりのイベントへの参加など、買い物以外でもポイントがたまる仕組みを導入する。区市町村がポイント還元事業を行う際にも都のアプリを活用できるようにするといい、都は、行政機関による同種事業の共通基盤としたい考えだ。」と報じています。

現時点では都の作成するアプリの詳細までは公表されていないものの、区が示しているデジタル地域通貨事業と同様のコンセプトであるように思えます。また、東京都は同種事業の共通基盤としたいとしているため、区のアプリと都のアプリが競合する部分と協力できる部分、この見極めが重要になります。区独自のアプリではより中野区の実情に沿った形でのサービス設計が可能になるとも考えられます。一方、東京都のような広域自治体がプラットフォームを提供する方が基礎自治体が個別に作成するよりも財政的なメリットがあると考えられますし、DXの思想にもマッチすると思います。中野区としては東京都が同種のアプリをリリースするこのタイミングで事業を推進していく理由とリスクについてどのように考えているのか、また共通する機能がある場合どのように事業を整理していく考えなのか見解を伺います。

【産業振興担当部長】区は、今年度、新たな産業振興方針と合わせて、東京都より先行して経済団体等と協議しながらデジタル地域通貨事業の検討を進めてきたところである。東京都の新年度予算で構築するデジタル地域通貨プラットフォームについては現在のところ詳細が明らかとなっていない。今後、当プラットフォームの情報収集に努め、共通する機能などが明らかになった場合は財政面や利用しやすさ、これまで検討してきた様々機能が実装できるかを検証し、将来的な連動や移行が可能かなどを検討してまいりたい。

区民委員会の報告資料で中野区デジタル地域通貨事業におけるコミュニティポイントの考えかたについて示されています。私もこれまで様々な地域活動をしてまいりましたので、地域活動の担い手不足の課題が深刻化していることは認識をしています。しかし、インセンティブ目的で参加する方々が本当に地域活動の担い手になりえるのか、個人的な経験からは懐疑的な思いもあります。本来こういった活動は損得勘定ではなく社会の役に立ちたいという動機だったり、仲間づくりをしたいという動機こそが重要です。とはいえそうは言っていられない状況にあることも理解できます。ただコミュニティポイントが導入されれば、区内の様々な団体から自分たちの団体も対象団体に指定してほしいと要望が相次ぐことになるでしょうし、対象にならない団体からは不公平という不満の声も多く届くことになるでしょう。また新規参加者だけポイントを付与すればこれまで活動してきた方から不満がでるなど様々考えられます。そうした際に合理的な説明ができるように例えば政策効果が測定可能で時限的なものとする、また区民の生命や健康に関することに対象を絞るなど、今示している考え方以上に基準を明確にする必要があると考えます、区の見解を伺います。

【産業振興担当部長】コミュニティポイントについては、「区の政策課題への対応」と「ポイント付与・利用」に適した事業や取り組みの双方に合致するものについて検討することとしている。ポイントを付与することによって定量的な成果が測れるものが好ましいと考えているが、具体的なコミュニティポイント事業は区として政策的視点から協議するとともに、副区長をトップとしたPTを設置し、検討してまいりたい。

2.新庁舎移転について

新庁舎開庁日の5月7日はゴールデンウィークの連休明けで窓口業務が混雑する繁忙期にあたるため窓口での手続きが集中します。開庁日初日はメディアもくるでしょうから、トラブルなく窓口業務を機能させるためには十分な準備期間と体制が必要となります。また、住民情報システムなどの基幹情報システム、その他のシステムと端末の設定なども余裕をもって行う必要があります。基幹情報システムは標準化担当課が担当しておりますが、その他の個別システムは各所管が行っているため、情報システム課が全体の進捗マネジメントとフォローアップすることを要望いたします。

5月2日まで窓口業務は稼働しており、同日の夜に引っ越し業者に荷物を引き渡して、3日から6日の間に荷物の荷ほどきを行って7日から本稼働というスケジュールになっています。荷ほどきにも時間を要することを考えると本番環境での準備期間が短くなります。新庁舎移転後は全庁発券機、フルセルフレジ、お悔やみ窓口、フロアマネージャー、スマート窓口など新たな取り組みが多数あることから窓口業務のオペレーションが大幅に変わるため、可能な限り準備期間を確保する必要があります。引っ越しの際に荷物の搬入など2階・3階窓口の部署を優先に進めて、窓口業務等の準備時間を最大限確保できるように努めてはどうか?

【区長】庁舎移転に伴い、移転業務を短期間に実施することになるが、窓口業務などの区民サービスの継続・安定的な確保は極めて重要なことと認識している。5月2日の業務終了後から順次、各所属の荷物等を運搬することになるが、来庁者数の多い窓口を所管する部署については、できるだけ準備期間を確保できるよう調整していく。こうした対応も、移転にあたっては、区民サービスや業務に支障が生じないように、万全の体制を整えていく考えである。

新区役所整備課は、新庁舎移転に向けて作られた組織ですので、引っ越しが完了すれば多くの役割を終えることになります。また、これまで移転に向けた様々な課題について組成されたプロジェクトチームは、職員の兼務体制によって対応してきましたが、それらも移転によって多くが解消されます。移転完了によって、新庁舎移転プロジェクトに携わっていたマンパワーが一定程度浮いてくるのだと思います。そうしたなか、目下の重要課題は、新区役所移転後、これまでどおりに区民サービスが確実に提供できるか、また、新たな庁内業務システムであるMS365をすべての職員が問題なく活用できるように集中すべきと考えます。そのためにも、移転完了によって浮く新区役所整備課の人員は、区民サービス窓口部門、情報システム部門に、優先的に配置すべきと考えます。加えて人員を強化した情報システム課の機能を、全庁各部課、特に教育部門の情報政策機能の強化を支援するために活用して、全庁的な情報基盤を強化すべきと考えます。また、現在は業務改善の機能が、企画部企画課や新区役所整備課などに分散されているように思われます。業務改善の主たる意味は、事務事業の行政評価によって政策・施策を改善していくことにあり、現在のDX推進室で進めているオペレーションレベルでの改善にとどまらないと考えます。これらを含め、新庁舎移転を契機とした今後のDX推進室のあり方や組織編成をどのように考えているのか見解を伺います。

【区長】新区役所整備課の人員については、移転後の一定時期に、その時点でマンパワーが必要な部署に順次再配置していく予定であり、継続的な安定稼働の必要性から鑑みて、区民窓口サービスや情報システムの所管は、優先順位の高い部署として想定している。また、移転後に向けて、新区役所整備課だけでなく、DX推進室のあり方を含めた組織再編の検討を進めていく予定である。その際には、デジタル社会の実現やデジタル技術の利活用による区民サービス及び生産性の向上の観点を踏まえつつ、業務の改善・改革の仕組みをさらに強化し、加えてDX人材の育成や改善活動の取り組みなどを総合的に勘案し、最適な組織の在り方を検討したい。

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