令和4年第3回定例会~中野サンプラザの閉館後について~

令和4年第3回定例会にあたり一般質問をしました。

項目は以下の通りになります。

1.持続可能な区政運営について

2.自治体DX推進について

3.中野駅周辺の施策について(中野サンプラザ閉館後の対応等)

  1. 持続可能な区政運営について

8月の総務委員会で「新たな財政運営の考え方」について報告がされ、その中で基準となる一般財源規模を廃止する方針が示されました。予算編成開始時における歳入一般財源の見込み額を一般財源充当事業費の目標額とし、歳出削減に努め、財政状況により更に一般財源の確保ができた場合は、義務教育施設整備基金の積立を行うとあります。先日の総務委員会の質疑のやりとりから推測するにこの時点での財政フレームの令和5年一般財源歳入額は約820億円で、基金積立金を約50億円見込んでいるとのことでしたので、基金積立を除く一般財源充当事業費は770億円程度です。令和4年の予算では761億円なので前年から9億円増加する見立てです。

これまで予算編成の際には基準となる一般財源規模から各部に一般財源要求限度額を設定していましたが、新しい予算編成手法では歳入一般財源見込み額に応じて一般財源充当事業費が膨らむ懸念があります。令和4年の歳入状況をみる限り令和5年度の歳入は820億円を大きく上回る可能性もある訳ですが、新規事業費の上限の設定と経常経費の抑制をどのように行うのか、見解を伺います。

【企画部長】新事業費は拡充事業費も合わせて、国・都支出金や基金・起債の充当後の一般財源ベースで例年50億円程度で推移しており、来年度予算においても同程度を見込んでいる。経常経費については、今年度予算の経常経費と同規模に抑えることを目標にしており、各部の予算の上限もそのように設定している。

令和4年当初予算で示された財政フレームの経常経費は5年間据え置きになっていますが、実態としては新規事業が2年目から経常経費化されるため年々膨らむ傾向にあります。新規事業が経常経費化する2年目の予算編成過程で対象の事業を集中的に精査して経常経費を抑える必要があると考えるがどうか、見解を伺います。

【企画部長】今年度予算に計上した新規事業のうち、来年度予算において経常化する事業については特に金額の大きいものを中心に別枠で査定するなど、経常経費化する経費の精査に努めたい。

中野区構造改革プログラムの戦略5の2に「使用料、事務手数料の適正化」があります。想定する成果として「区有施設整備計画に基づく施設再編、維持管理、更新・保全等による財政負担の軽減。公有財産の貸付等における使用料の減額・免除基準等のあり方を検討し、区有施設の適切な資産活用が図られる」こととしています。中野区の受益者負担比率は3.0%で特別区平均4.5%に対して大きく下回ります。中野区は23区と比較して受益者負担比率が低いがこの結果をどのように分析しているのか、見解を伺います。

【企画部長】受益者負担比率低くなる要因としては、分母である行政サービス提供に係る経費が高い場合と分子である使用料・手数料等の受益者負担が低い場合の2つが考えられる。23区平均より受益者負担比率が低いからといって、他区よりも行政サービス提供に係る経費が高い場合も考えられ、ただちに他区と比較して使用料・手数料等の受益者負担が低いとは言えないと考えているが、使用料の見直しにあたっての参考数値になり得るため、詳細な分析をしていきたい。

令和2年の総務委員会で施設利用料の考え方が報告されました。その際、減価償却費の半額を使用料の算定に含むという考えが示されたのですが、新しい施設があれば古い施設もあります。特定財源が含まれている施設とそうでない施設もある中、同じ基準で一律に計算するのは適切なのか疑問が残ります。今後はどのように施設使用料の考えを整理していくのか、見解を伺います?

【企画部長】令和2年の第1回定例会で施設使用料の見直しを考え方について報告し、算定にあたって算入する減価償却の見直しなどの考え方をお示ししている。その後、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、区財政への影響が懸念されていたことから、減額の可能性がある使用料の見直しについては令和3年度改訂を見送り、令和6年度改訂としたところである。今後、令和6年度改訂に向け検討を進めていくが令和2年にまとめた考え方を基本に、この間にいただいた議会や区民のご意見や他の区の状況なども踏まえながら、考え方を整理していく。

スポーツ施設については令和6年まで施設使用料を半額にする措置が取られています。スポーツ施設を利用している方々からしたら、以前の価格に戻した場合、現状から2倍になるので使用料が大幅に値上げされたと感じます。使用料算定の考え方については区民の方々にもわかりやすく伝えていくとともに適正な料金を算定するために議会においても説明を果たし議論を尽くすべきです。

財政白書では文化施設、児童館など施設ごとにグルーピングして受益者負担比率を示していますが、スポーツ施設については示されていません。施設使用料改訂に向けての検討材料としてスポーツ施設の受益者負担比率を示すべきではないか?

【企画部長】財政白書の施設別財務書類については、令和元年度から掲載を始め、順次施設と分析内容を追加してきたところである。スポーツ施設について今後財務書類の作成対象に加えて、受益者負担比率の算出や使用料の検討の参考としていく。

2.自治体DX推進について

DXは法定DXと自主的DXに分類できます。法定DXとは自治体情報化システムの標準化のように法律により義務付けられるものです。自主的DXとは各自治体がそれぞれの実情に合わせ、創意工夫しながら進めるDXです。すでにペーパレス化や押印などを根拠とする関連制度が見直されており、中野区としても相違工夫によってオンライン化できる手続きや業務は広がっています。制度上はオンライン化できるものでも区として考え方が整理できていない分野もあります。

その例の1つとしては、施設予約のオンライン化です。現在中野区の施設でオンライン予約に対応しているのは14施設と小中学校の開放事業です。区民活動センターのオンライン予約については、施設ごとに部屋の形状やルールなどが異なるため対応できていないと伺っています。地域団体の方が打ち合わせをできる部屋を最低限確保し、まずは抽選日以降の一般受期間のみオンライン化するなど段階的に進めるべきと考えます。一般の方々が利用しやすい環境を目指すために区民活動センターの抽選終了後、一般受付期間についてオンライン予約に対応してはどうか、見解を伺います。

【区長】施設予約のオンライン化については、区民の利便性が高まるとともに、施設の有効活用にもつながるものと考えている。区民活動センター集会室の予約方法の見直しや空き情報の可視化について、現在取り組んでいるところであり、より多くの人が快適に利用できるよう、オンライン化を含め検討していく。

施設の回転率、利用率を上げるためには会議室の空き情報が確認できるような取り組みも必要です。先ほど施設料金の考え方についても質問をしましたが、利用率が向上し収益が上がれば維持管理にかかる区の負担を抑制し受益者負担比率もあがるので、予約方法に限らず施設の利用率向上と施設管理費の抑制について工夫していただくよう要望いたします。

また、施設予約システムのナイセスは団体登録には対応していないため、新規の利用者が施設を利用する際には窓口に行く必要があります。施設予約のシステムを更新する際にはオンライン団体登録に関するニーズの調査をしたうえで導入について検討をしていただくよう要望いたします。

中野区が利用している東京都電子自治体共同運営電子申請サービスが第4期からスマートフォンの公的個人認証に対応したシステムの構築を検討しているというふうに伺っておりました。しかし、8月の時点で東京都電子自治体共同運営協議会が第4期での対応を見送りました。第5期のシステムが構築されるのは令和7年になります。

東京都電子自治体共同運営電子申請サービスはスマートフォンの公的個人認証に令和7年度まで対応しないとのことですが、その前に民間サービスを使って中野区独自のシステムを構築してはどうか、見解をうかがいます?

【区長】スマートフォンを利用した公的個人認証サービスへの早期対応に向けて、他自治体の事例なども研究しながら民間サービスの試行・検証を行うなど導入に向けた検討を進めて参りたい。

東京都電子入札システムについての検討状況について特別委員会の私の質疑の中で、電子契約サービスについては、東京都の共通プラットフォームを活用して運用できるよう検討しているとの答弁がありました。また今後、区としても契約、会計、監査の業務においても電子化に向け、検討している旨の答弁をいただいております。契約の業務が電子化しても、その後に発生する会計、監査において紙が必要になるようではペーパレス化が進みません。電子契約サービスについての現在の検討状況を伺うとともに、契約、会計、監査などの一連の内部管理事務についてもペーパレス化を進め電子的に事務処理が行えるよう、新庁舎移転と併せて改善に向けた取り組みを進めて欲しいと考えますが、どのような状況か合わせて伺います。

【区長】電子契約サービスについては、記名押印に代わる電子署名に関する規定の改定や、電子契約サービスの対象とする契約の種類などについて検討を進めており、新庁舎移転後に一部の契約について導入を目指したい。契約、会計、監査など一連の内部事務処理については、一部、紙で処理している事務を電子的に対応ができるようシステム改修を進めており、新庁舎に向けて効率的な運用方法になるよう、検討を行っている。

3.中野駅周辺の施策について

総務委員会で令和5年7月2日に中野サンプラザが閉館するという報告がありました。権利変換期日までの間、㈱まちづくり中野21が閉鎖管理をするとのことです。中野サンプラザは区民の方々だけではなく、アーティストや文化人にも非常に愛されてきた施設です。閉館前から建て替え期間中の街並みや、後継施設の様子も含めて記録映像を残して資産化を図っていくべきと考えます。そういった映像を区がHPへの掲載やSNSで発信するにも著作権が理由で自由に活用できない可能性があります。映像制作者と施工予定者の間に中野区が入り交渉や調整をすることで区が映像作品を活用できる可能性が高まります。中野サンプラザ閉館にあたってドキュメンタリーを作成したいという声もあると聞いています。区が映像を2次利用させてもらう可能性もでてくるので、区も協力し、施行予定者に働きかけてみてはどうか?

【区長】中野サンプラザが取り壊されてから、新しい拠点施設が完成するまでの間の、まちの賑わいの継続については拠点施設の施行予定者がエリアマネジメントの一環として取り組む予定である。施工予定者は現在、取り組みの詳細を検討中であり、映像作品の申し出等、エリアマネジメント活動の一環となるような提案があれば、区として施行予定者に働きかけていく。

中野サンプラザの広場はこれまで東北復興大祭典なかの、中野チャンプルーフェスタ、中野駅前大盆踊り大会など沢山の来場者で賑わうイベントの会場として使われてきました。この広場は駅からの近いことで人通りが多く、目立つ立地のためイベントの利用ニーズも高いです。これまでは㈱まちづくり中野21の子会社にあたる中野サンプラザの職員が広場の管理しておりましたが、閉館後は管理する人がいなくなってしまいます。閉館から権利変換までの間、区が広場の管理をして公益性のある団体、地域の賑わいに資するイベント等に利用できるような体制を維持すべきと考えています。中野サンプラザが閉館して建物を解体するまでの間、閉鎖管理と聞いているが、サンプラザ前の広場を区民等に貸し出す考えはないのか、またその場合どの部署が管轄するのか合わせて伺います。

【区長】中野サンプラザ閉館後の建物は、所有者の株式会社まちづくり中野21が閉鎖管理をすることになる。前面広場については、権利変換期日まで閉館前と同じように使用できないか、株式会社まちづくり中野21と協議しているところである。広場を区民等が専用使用する場合、窓口は区の総務部が所管する方向で調整中である。

新北口駅前エリアについて、中野サンプラザの後継施設ができるまで間、エリアマネジメントによって賑わいを継続するとしています。中野サンプラザの価値はシンボルタワーとしてだけでなく、ホール、バンケット、会議室、ホテルなどの機能を備えておりこれまで沢山の方々が利用されてきましたたが、後継施設ができるまでの間これらの機能が一時的に失われます。例えばバンケットについて東中野にあった日本閣が無くなってしまったので、中野サンプラザの閉館後はこれに代わる施設がなくなります。地域団体からバンケット機能が無くなったら困るという声も伺っています。中野駅周辺には複数の権利床がありますが、例えば2丁目権利床は地域交流スペースとしての公共貢献を条件とした貸し出しをする予定のため、こういった駅周辺の権利床などを活用することも考えられます。中野サンプラザシティが完成するまでの間、時限的にでも中野駅周辺にバンケットの代替機能を持たせることはできないのか、見解を伺います?

【区長】中野サンプラザ閉館後の中野駅周辺のバンケット利用については、大規模なものでは民間のコンベンション施設、小規模なものは飲食店等をご利用いただくこととなる。飲食を伴わない会合であれば区有施設の利用も考えられるが、いわゆるバンケットの代替施設を確保することは困難であると認識している、

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